加水分解でベタベタになった樹脂パーツの復元方法
- forzacornesmi164
- 3月1日
- 読了時間: 5分
輸入車などではインナードアハンドル、各スイッチ類など内装にはかなりの割合で使われているプロテイン塗装、新しいうちはいいのですが経年劣化で塗装表面に起こる加水分解でベタベタネチャネチャしてきます。 指で触れただけで指紋がついたり指に加水分解した塗料がべったり付いてしまったりします。
今回はその加水分解でベタベタになってしまった塗料を復元する方法をお話しします。
今回は非常に長くなりますがまずは下記をご覧ください。
プロテイン塗装(プロテイン樹脂塗装、ラバー塗装)の加水分解は、主に80〜90年代(EPW注※2000年代でも普通に起こります)の輸入車や家電製品、高級国産車の内装に採用された樹脂コーティングが、経年劣化によってネチャネチャ(ベタベタ)になってしまう現象です。この現象は通称「ネチャネチャ病」とも呼ばれ、湿気や加水分解が主な原因です。
1. プロテイン塗装が加水分解する原因
素材の特性: プロテイン塗装は、ポリウレタンや特殊なラバー(樹脂)を主成分としており、質感の高さや手触りの良さから自動車の内装(ドアハンドル、スイッチ類)に使用されてきました。
湿気の影響(加水分解): 空気中の水分(湿気)が樹脂の化学結合を分解し、樹脂を元の液体に近い状態に変化させることで、ベタつきが発生します。
高温・直射日光: 直射日光が当たる場所や高温下では、加水分解が急速に進行します。
経年劣化: 時間の経過とともに、どうしても避けられない劣化現象です。
2. 加水分解(ベタつき)の除去方法
劣化したコーティングは、以下の方法で除去(剥離)できます。
無水エタノール: 塗装面に無水エタノールを染み込ませ、布やティッシュで拭き取ります。
加水分解したプロテイン塗装は、一度発生すると元には戻せないため、基本的には「きれいに剥がして除去する」のが修理・対処の基本です。
となっています、EPWではプロテイン塗装のベタベタ除去には”無水エタノール”を使っています(決して無水メタノールではありませんのでご自分でやってみたい方はご注意を)、そしてこのベタベタは簡単に除去出来る性質のものではないため、かなりの根気と時間を要しますので相当な知識と覚悟がないと一般の人にはキレイに除去するのは不可能だと思います、ここからは画像を使って解説してみましょう。


上記画像でも分かる通り、加水分解が進んでかなり酷い状態です、白いパネルは黒ずみが進んで埃すらベタベタの表面に付着してどんどん汚れてしまいます。タオルなどで拭こうものならタオルの繊維まで付着しまくりで絶対に取れません。
このベタベタを除去するためにEPWでは無水エタノールを使用し、何枚も用意しておいたマイクロファイバータオルに染み込ませてベタベタになった表面を拭いて少しづつ除去していきますが、一回使った面はもう使えないのでキレイな部分を使いながら何度も何度も繰り返し拭き取っていきます、今回のパネルだけで数時間以上かかると思ってください、気が遠くなるでしょ?この作業を何回もしている私ですら目眩がするほど大変なんです(笑)
ベタベタが除去出来たら表面をペーパー掛けして塗装前の足付けをこれまた時間をかけて行います、ここまでやってようやく準備が出来たと言えるでしょう、このパネルではここまでで6時間以上かかりました。

下地処理で樹脂の黒い部分が露出してしまっているのでこのままではキレイに色が乗らないため塗装は出来ません、今回は白いパネルなのでホワイトのプラサフと呼ばれるサフェーサーを使用して塗装前の下塗りを行いました。

ホワイトのプラサフを吹いて下地が出来上がったらいよいよ本塗装です、今回はホワイトなのでホワイトの塗装で何回かに分けて塗装していきます、あまり厚く塗ると垂れてしまうので乾き具合を見ながら塗装します、ここまで来るのにかなりの時間を使っているので絶対に焦ってはいけません、失敗したくないのなら時間をかけるのが鉄則です。 最後にクリア塗装を行う事でツヤツヤの仕上がりになります。


このように加水分解でベタベタになってしまったパネルやスイッチを復元するのは非常に大変です、但し、きちんとした知識と根気があれば出来なくはない作業なので参考になさって下さい、自信がない方は業者に依頼するのが結果的には安く済みますよ。 EPWでは特別な場合を除き、基本的にこの作業は行っておりませんのでご相談下さい。



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